建材にも使われるコルク材
目にする機会の大半がワインを飲む時なこともあり、コルク材とは小さい物だと先入観を持っている人が多いようですが、
栓よりも大きなコルク材を製造する技術がないわけではありません。
床材や天井材としても活躍していますし、けっこう利用頻度の高い建材なのです。
再生資源としても注目されており、エコロジーな資材なので皆さん知らないだけで使われている箇所はあちこちにあるのです。
あまり目に触れる部分には使われないので馴染みが薄いのも仕方ありませんが、裏方として素敵な住宅を完成させるのに役立っているのです。
天井がコルク材でもワインの栓のイメージが強いコルクであるとは気付かないかもしれませんし、
建材としてのそれを見てもコルクだとは思わないだけという寂しい理由もあるかもしれません。
そこにあるのに認識されない、何か別の物だと思われてしまっている、そんな悲しい運命を背負っているコルク材なので、
もしも木造住宅を新築されるのであれば少しだけ優遇して多めに使用してあげるときっと喜んでくれるでしょう。
適さない部分に無理して使うことはありませんが、コルク材を使ってもよさそうな箇所は住宅のあちこちにあるので、
その気になればコルクまみれの建造物を完成させてしまうことも簡単なことでしょう。
ワイン好きの方ならそんなオチャメな家もいいかもしれませんよ。
コルク材の弾力性能
人知れず私達の生活を支えてくれるコルク材ですが、建材としてはどのような性能を持っており快適な住居を実現してくれているのでしょうか。
面白いところでは弾力性能が高いうえに吸音性にも優れていますので、子供部屋の床に使うというのが意外とメジャーな利用法となっています。
ドタバタと走り回る少年少女の足音はうるさく、それを最小限に抑えてくれる衝撃吸収材は子供のいる家庭にはぜひとも欲しい一品です。
飛び跳ねたり転げまわったりと激しく体を動かす子供は転んでケガをする回数も多いですが、床が弾力のある材質ならその危険も回避できるでしょう。
また若くはなくても肥満気味の住民が多いのならやはり適します。
部屋を移動するときに建物が揺れるようなことになりたくなければ、衝撃を吸収してくれる床を多用するのが一番であるからです。
夜中にトイレに行くたびに住宅が音を立てるようでは家族の睡眠を妨害してしまい、あまりよい環境とはいえなくなってしまいます。
大きな衝撃でもしっかりと受け止めてくれて音もあんまりさせないコルク材は、大人数の家族が仲良く暮らしている住宅にベストマッチです。
子供部屋限定ではなく廊下やリビングの床にも敷詰めて静かな住宅にしたいと願っている方も大勢いますし、使いどころはいくらでもありそうです。
普段は見えないけどさりげなく平穏な生活をサポートしてくれる、そんな素敵な建材なのでぜひ活用して下さい。
コルク材の臭い
暴れん坊のお部屋を静かにしてくれるコルク材ですが欠点がないわけではありません。
ワインの栓のコルクしか知らなければ気が付かないことですが、特有の香りを放つのでそれが気になるという人も少数ながらいるようです。
ワインを飲みながらコルクを観察する分には「ワインの香りが染み付いてるね、いい気分になるから君も嗅いでみなよ」と話のネタになることはあっても、
コルクそのものの臭いにはあまり注目されません。
強烈に異臭を放っているわけでもありませんし、ワインの香りに打ち消されているのであまり気付かれないのですが、コルクは独特の臭いをしています。
なのであまり多くを剥き出しのまま住宅に使用すると、家の中がコルクの臭いで充満して異様な雰囲気になってしまうことも考えられます。
また直射日光を浴びると変色しやすいので、あまり表面に使うことは避けたほうがいいですよとの専門家のアドバイスもあります。
断熱性能や保温性能にも優れているので家中に使いたいところですが、壁も床も天井もコルクをそのまま使用するのはちょっとまずいかもしれません。
日の光が当たる部分だけ変色するとちょっと汚らしいですし、それを直すには取り替えるしか手段がないのでメンテナンスも大変になります。
なので決して万能の建材ではなく、見えない部分に使う、場所を選んで設置するという配慮をしなければ上手に使いこなすことはできません。